十三参り関東でもやるべき?時期や服装の作法を本場関西人が伝授します

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突然ですが、あなたは関西人ですか?それとも関東の人?

そんな質問をする理由は1つ、それは各々の伝統や文化の特色に大きな違いがあるからです。

たとえば「七五三」という伝統行事は、言うまでもなく全国区に広まっていますが、「十三参り」という伝統行事は、果たして日本全国民が絶対に知っている行事なのでしょうか?

事実、関東の人は「十三参り」の内容や全貌について「ほとんど知らない」方が多いようで、また知っていたとしても「ああ、関西の方では有名だよね!」程度の知識しかないのです。

このように、関東ではほとんど知られていなかった「十三参り」ですが、じつは最近関東でもこの「十三参り」を行っている地域があるというのです。

はたして、伝統文化に大きな違いがある関西の行事を、関東で行うことができるのでしょうか?

そんな疑問も踏まえて、今回は関西で主流の行事「十三参り」とはどういったものなのか?そして、十三参りを行う時期や服装についても探っていきたいと思います。

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十三参り関東でもやるべき?関西人が伝授

まず、「十三参り」とは、関東と関西で大きな違いがあるわけでもなければ、関西でしかやってはいけない伝統行事というわけでありません。

それは関西で主流の伝統行事というだけであり、関西地方では関東や東北などと比べると「七五三よりも十三参りがメジャーだよね!」というだけの話です。

 

たしかに関西では、「七五三はやらないけど十三参りはするよ!」という方も多いようですが、それは関東でも結果的に同じことが言えます。

また、「十三参り」を「関東に住んでいてもやるべきなのか?」と考える方もいることでしょう。

たとえば「七五三があるからやらなくても良いのでは?」とも思ったりしますよね。

そう、「七五三」も同じ伝統行事です、しかし「十三参り」とはまったく別物であると考えてください。

 

なぜなら、「十三参り」は満12歳で男女ともに行うので「七五三」とは時期が重なりませんし、各々の伝統や発祥に大きな違いがあり、これらの行事を子供に行う本来の意味合いさえも全く異なってくるからです。

 

もっと簡単に言えば、「七五三」も「成人式」も同じ伝統行事です。でもどちらか1つというわけではないでしょう。

だって、子供に「七五三やったから成人式しなくていいよ!」という親はいませんよね?たぶん・・・。

 

つまり、やるべきか否か?は個人の見解にもよりますが、同じ伝統行事なだけで同じ内容の行事ではない、ということだけは知っておいた方が良いのかもしれません。

 

まぁ、関東だからってやっても良いし「七五三」と両方やっても問題なし、と思います。

 

ただ、実際に関東や東北の方が「十三参り」をする場合は関西人に比べると、その知識は専門家でもないかぎり豊富ではないと思いますので、もし知り合いに関西の方がいるのであれば伝授してもらうのも良い方法なのかもしれませんね。

でも、「十三参りをするには京都まで行かなくてはいけないのでは?」なんて思っている方もいるはずです。

本来はその通りですが、どうやらその心配もないようです。

それはのちほど説明いたしましょう。

十三参りとは?分かりやすく解説

さて、そもそも「十三参り」とは何をどうする参りなの?と思っている方もいることでしょう。

 

「十三参り」について、簡単に説明していきましょう。

まず、十三参りは江戸時代の中ごろ(詳細は不明)に始まっていて、発祥は京都です。

由来は、真言宗の開祖「空海」こと「弘法大使」が崇めていた「虚空蔵菩薩(こくうぞうぼさつ)に祈ることで、知恵と福を得られるよ!」という考え方からです。

なんでそうなったのか?それは「弘法大使」本人が「私は虚空蔵菩薩(こくうぞうぼさつ)に授かった虚空蔵求聞持法(こくうぞうぐもんじほう)という技で、無限の記憶力を開眼させたのだ!」(実際は唱える修練です。)って言ったからです。

 

まぁ、そんな由来から「十三参り」はときおり「知恵もらい」「知恵参り」と呼ばれるそうですね。

つまり、満12歳の男女ともに、虚空蔵菩薩(こくうぞうぼさつ)に参拝して知恵と福を授かってくるという行事なのです。

 

でも当然、それだけではありません。じつは、参拝には決められた時期や年齢制限があるのです。

十三参りの時期はいつ?年齢制限は?「13」の真意とは!?

全国的に有名な「七五三」も時期や年齢が定められていますよね?

この「十三参り」にも当然、参拝する時期と適した年齢があるのです。

まず、「十三参り」を行う時期は3月13日~5月13日の間です。

では、なぜその期間なのか?それは、本来「十三参り」を行っていたのは「旧暦の3月13日」で、その日は虚空蔵菩薩(こくうぞうぼさつ)の縁日であり、それは今でいうところの「4月13日」なのです。

でも、「4月13日限定です!」ってなったら、「十三参り」ができる人の数が激減しますよね?

だから、その前後1か月の期間を設けて「3月13日~5月13日」にしたのです。

 

次に、年齢も決められています。それは満12歳のときです。

・・・「え?13参りなのに!?」と思うでしょう。たしかにその通りです。

でも、実年齢は12歳の時に行くことをおすすめします。

これにも理由があって、じつは数え年で13歳という意味が込められています。

すると、この時点で「0歳カウント」はせずに生まれた瞬間から「1歳カウント」になるのです。そう、まるで韓国方式みたいに・・・。

つまり「数え年13歳になったら・・・」とよく書かれていますが、実年齢は12歳のときですので、くれぐれもお間違えのないように。

 

ちなみに、おすすめ時期としては大勢人がいるので込み合いますが、小学校を卒業して中学校に上がる前の春休みの3月下旬ですね。

「十三参り」を行うほとんどの方は、この期間に出席されるようです。

でもそうすると、たとえばこんな問題も出てきます。

 

「うちの子も来年から中学生だし、入学式前に十三参りに行っておきたいなぁ!と思ったら、まさかの早生まれ!!今はまだ11歳だから来年じゃなくちゃダメなの?」

そう、まさにこの状況!中学へ進学する前に「十三参り」に行っておきたいのは親の切なる思いでしょうし、なにより他の子どもとずれてしまうので、ちょっと嫌ですよね。

でも安心してください、早生まれの場合は満11歳でも問題ありません。

 

「え!?それ誰が決めたの?空海さん!?」・・・いえ、違います。

それは人々の合理性が導き出した答えなのです、南無・・・というのは冗談です。

正確には、「生まれてから干支が1週した時点で良い」と言われていますので、3月下旬だとすでに干支は1周していますから、早生まれの11歳でも問題ないというわけです。

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あと、余談ですが「十三参り」における「13」が教示する説がいくつかありますので簡単にまとめておきましょう。

・数え年の13歳は厄年だから、厄を払うことにもつながっている。
・13日は虚空蔵菩薩の命日であるという説。
・初七日から33回忌までの仏事、その13番目が虚空蔵菩薩だから説。
・昔は元服が13歳で大人の入り口としての解釈があったから説。(鎌倉時代頃の話らしい)
・生まれてから干支が一周して最初の年齢と考えられるから説。

この他にもいろいろな説があるようですね。

このように「十三参り」の意味合いにはいろいろな説が結び付けられているようです。

十三参りはどこでやる?関東編&東北編

先ほどから「十三参りは関西が主流!」と言ってきましたが、じつは主流なだけで関東や東北には虚空蔵菩薩(こくうぞうぼさつ)と「十三参り」が存在しないわけではないのです。

また、「十三参り」を行える場所は虚空蔵菩薩(こくうぞうぼさつ)が祭られている寺社仏閣であれば、条件的には可能なのです。

では、関東の場合どこでやっているのか?それを簡単にまとめてみましょう。

 

◆東京「浅草寺」
東京、いや関東で一番有名で大々的に「十三参り」を行っている場所です。
住所:東京都台東区浅草2丁目3−1
電話:03-3842-0181

 

◆東京「法禅寺」
住所:東京都品川区北品川2丁目2−14
電話:03-3471-4041

 

◆茨城「虚空蔵堂」
住所:茨城県那珂郡東海村村松8
電話:029-282-2022

 

◆神奈川「正覚寺」
住所:神奈川県横浜市都筑区茅ケ崎東3-12-1
電話:045-942-3059

 

関東圏では、上の4つのお寺で「十三参り」を行うことができます。

 

続いて、東北や北海道の場合はどうでしょうか。

 

◆北海道「浦幌神社」
住所:北海道 十勝郡浦幌町字東山町18-1
電話:015-576-2448

 

◆宮城「奥州柳津虚空蔵尊」
住所:宮城県登米市津山町柳津字大柳津63
電話:0225-68-2079

 

というわけで、東北や北海道にもちゃんと「十三参り」できる場所があったということですね。

十三参りの服装は着物?

「十三参り」を行うときには正式な服装がちゃんとあります。

女の子は、「着物を着て」参拝しますが「肩上げ」して袖の長さも調節するのが正式とされています。

男の子は、正式には「羽織袴」が良いとされています。

 

しかし、必ずしも正式な服装で行事を行わなければならない、というわけでもありません。

時期が中学校入学前という方が大勢いるので、男の子は学生服、女の子はあまり目立つ色ではなく、控えめなワンピースなどで出席している場合も多いようです。

十三参りで親の服装は?

基本的に子供がメインの行事ですので、まずは子供より目立たない服装で行きましょう。

また正装としては、子供たちと一緒で男女とも羽織袴着物が良いとされていますが、これも男性の場合はスーツ姿やカジュアルな格好、女性の場合もやはり紺のスーツや控えめなワンピースなどで出席されている方も多いようです。

いざ、十三参りで実行!一字写経とは?

「十三参り」では参加した子供たちが、半紙に好きな漢字を1文字書いて「祈祷」してもらえるという一字写経というイベントがあります。

本来の写経とは経典を書き写して奉納する作法なのですが、「十三参り」では子供たちに「漢字1文字」を書いてもらい、それを奉納するのです。

また、写経の基本は「お経に含まれている漢字のみ」を使用するわけですが、子供にそんな大人げないことはさせられないので、「お経に載っていない漢字」もOKです。

では、実際に子供たちはどのような漢字を奉納しているのでしょうか、簡単にまとめてみました。

 

知(智)、賢、才、福、幸、心、忠、愛、恵、夢、友、希、望、優、美、一、貫、健
信、和、絆、進、結、空・風・陽・気・樹・花・実・・・など

 

やはり、「知」や「智」という字は、由来(ねらい)どおり1番多いようです。

次に多いのが、「賢」、そして「才」という順番で、これもねらい(由来)どおりとも言えますね。

 

というわけで、ご両親は「十三参り」に出席する前に、お子さんに何の漢字を書くか考えておくことなど、事前に伝えてあげることをおススメします。

「はい、では好きな漢字を1つ書いてね!」とかいきなり言われて「えっ!?ええ~??」とパニックになるようなこともなくなるでしょうから。

しかし、1つだけゾッ!とした事実がありました。それは、「十三参り」の「一字写経」では「奉納する漢字に決まりごとはない」という事実です。

ええ、つまり「悪魔的な文字」というか、たとえば「殺」とか「滅」とかでも極端に言ったら「問題なし!」ということになってしまうのです。

 

12歳の男の子で、少しやんちゃで悪ふざけが過ぎる子なんか・・・やりそうですよね?

 

1つ間違えれば、虚空蔵菩薩(こくうぞうぼさつ)に喧嘩を売ってしまう「死すら生ぬるい自爆行為」にもなりかねないので、これについてもご両親は事前に「“殺”とかNGな!」と一言注意しておくのがベターな選択だと思われます。

十三参りのお金・祈祷料はいくら?

基本的に境内に入るのは「無料」の場所が多いですが、「祈祷料」に関しては全国一律でいくらです、というものではなく「十三参り」を主催されている各寺社によって大きく違っていきます。

 

一例として、「十三参り」発祥の地である京都の「虚空蔵法輪寺」の祈祷料は・・・

 

・1週間祈祷すると  5,000円
プラス「お札、お守り、お供物、智恵の箸」がもらえます。

 

・1か月祈祷すると  7,000円
プラス「お札、お守り、お供物、智恵の箸」がもらえます。

 

・1年間祈祷すると 10,000円
プラス「お札、お守り、お供物、智恵の箸、お数珠」がもらえます。

 

というように、祈祷する期間で金額も決まってきます。

 

奈良の「弘仁寺」の場合は、予約制で一律1万円です。

 

東京の「浅草寺」では、お支払する祈祷料によってもらえるお札自体が変化します。

 

・3,000円~4,999円 紙札
・5,000円~9,999円 小木札
・10,000円~19,999円 赤水引 大木
・20,000円以上 金水引 大木札

 

というようになっています。

このように、祈祷料は一概に言えません。各寺社の祈祷システムを確認してからお願いするのが安心できるのでおすすめと言えるでしょう。

まとめ

いかがでしたでしょうか?

結論から言うと、「十三参り」は、関西も関東もそれほど違いはなく、京都まで行かなくても虚空蔵菩薩(こくうぞうぼさつ)が祭られている寺社仏閣であれば、問題なく行えるということ。ゆえに関東でも「十三参り」ができるということが、おわかり頂けたことと思います。

また、「十三参り」は「3月13日~5月13日」の期間で「「満11歳と満12歳(数え年で13歳)」の「少年、少女」が対象であるということも、憶えておきましょう。

そして、ご両親は子供に「やってはいけないこと」と「これからやること」の2つを事前によく説明し、決して子供より目立つような派手な格好はせず、祈祷内容や祈祷料もよく確認して、「十三参り」に臨んでいただけたら幸いです。

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